■■建物合理化⑤■■

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HRエイチアール宮崎です。
前回までは人工数が大事・チームが大事・工期が大事・
棟数が大事と言った話をして来ました

今回は材工分離のお話をしていきます。
前のブログ「建物合理化②」 でこんなお話をしました。

電気工事でこんな例が有りました。
分電盤取付一式7万円?
分電盤って私達の仕入れ単価だと15,000円位です。
手間賃が55,000円って事です。
結線費用は別計上ですので分電盤の取付が55,000円になります。
取付けって30分で出来ます。
つまりこの電気工事職人の時給が11万円なんです。

内装工事でもこんな話がありました。
クロス貼り㎡当たり800円。クロスは最低のマンションクロスです。
私達の仕入れ単価では㎡150円です。
つまり手間賃が650円です。
クロス職人さんが通常出来る時間当たりの㎡数は20㎡として13,000円が
時間給です。日当10万円になります。
10年以上の大工棟梁の5倍の単価が
クロス職人さんに支払われているって事です。

愕然としますが事実です。
これが材工合せた単価を決めた弊害です。
「俺は手間賃だけでいいよ」って職人さんは大工さんには多く見かけましたが
それ以外の職種では殆どお会いしませんでした。

つまり職人さん達は材工分離を好ましく思っていないって事です。
言い換えれば材工分離されると困るからです。

何故、困る?
自分の収益を守るためです。
今回は材工分離を詳しく考えて行きましょう。

以前のブログ「始まりはここから!」 を覚えておられますか?
材工分離の基本となる項目です。
今一度、復習をしたいと思います。

先ずは各工事の作業内容を列記します。
例えば基礎工事
① 遣り方
② 床掘り
③ 地業
④ ステコン
⑤ 型枠・・・・・・・・・・・・・・・・・・全部は書けないので省略します。

次に大工工事
① 土台据え
② 材料配り
③ 上棟
④ 金物
⑤ 窓廻り
⑥ サッシ取付・・・・・・・・・・・・・・・ここも省略します。

続いて屋根工事・板金工事・防水工事・サイディング工事・・・・・電気工事・設備工事
各工事の詳細を列記します。
各工事の作業内容を作業時間・作業日数・人工数を作成します。

例えば基礎工事
① 遣り方   作業時間1時間 人工数2人
② 床堀    作業時間2時間 人工数2人
③ 地業    作業時間2時間 人工数2人
④ ステコン  作業時間2時間 人工数2人・・・・・・・・・ここで省略します。

このように全ての工事/作業の時間と人工数を算出します。
工務店さんが考える数値と下請け職人さんが考える数値が違う事があります。
複数の職人さん達に話を聞くと良いでしょう。
この作業が職人さん達にとっても収益UPに生る事を説明しましょう。

通常は提携先工務店さんが算出した作業詳細を弊社のデータと比較します。
そうすると提携先工務店さんの業種毎の強み・弱みが見えてきます。
強みはそのままでOKですので弱みの業種の対策に入れば良い訳です。

ブログでは弊社のデータをお見せで来ませんが目安の数値は
施工床面積40坪程の建物で100人工(にんく)程です。
重要な点は業種毎の作業内容を詳しく分解する。
つまり作業時間や人工数をしっかり把握すると言うことです。
建物合理化だけでなく現場管理をする上でも必要な事ですから。

明日からは補足で材工分離を詳しく考えて行きます。
明日のテーマは「比べて?」です。
お楽しみに( ^ ^ )/

建物合理化(コストダウン)に真剣に取り組み
人工数や工期短縮を達成されている工務店さんが沢山おられます。
全ての工務店さんがブログ記事の様な方ではありませんので
くれぐれも誤解が有りませんようにお願いいたします。<m(__)m>

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