FXはインジケーターで勝てるのか?

「FXはインジケーターで勝てるのか?」って聞かれたら答えは「ノー」ですがインジケーターを全く表示せずにトレード出来るかと聞かれたら、これも答えは「ノー」です。裁量スキルを確りと修得していれば頼りになるのがインジケーターです。インジケーターサイン=エントリーではなく、裁量判断の後押しにお使い下さい。

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FXは株より簡単? 外貨を身近に感じる錯覚

外国為替証拠金(FX)取引で外貨投資をする方がここ数年増えています。FXは通常、一定の資金(証拠金)を預ければその何倍もの金額の売買ができる仕組みですから、投資というより投機的な面があります。それなのに、なぜ投資経験が浅い一般の個人にもここまで広がったのか不思議でなりません。

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「外貨は海外旅行で使うから、株よりなじみがある」という程度の認識で、投資初心者がFXに手を出すのはリスクが大きい

先日、株式には興味がないけどFX投資をしているという方と話す機会があったので、私の疑問をぶつけてみました。すると返ってきたのは「だって株式ってよく分からないですよね。でもドルやユーロなら海外旅行で使うからなじみがあるんです」という答えだったのです。

 

私は「外貨はなじみがあるから」というのが多くの投資初心者にFXが人気の理由だとすれば、典型的な「利用可能性ヒューリスティック」ではないか、と思いました。利用可能性ヒューリスティックとは、身近に起こったことは実際の確率よりも起こる可能性が高いと感じる行動経済学の理論です。よく例に挙げられるのは、航空事故のニュースを見るとしばらく飛行機に乗るのが怖くなる、という心理です。

この方のようにレバレッジとよばれるFXで取引可能な証拠金の倍率の高さや外貨投資自体のリスクを正しく認識することなく、「海外旅行で使う通貨だから」と安易に手を出してしまいがちなのも、利用可能性ヒューリスティックで説明できるのではないでしょうか。

株式投資は発行企業の株を買う行為ですから、その企業が成長を続ければ配当も受けられるし、取得価格より値上がりした時点で売却すれば利益を得ることもできます。成長する企業の株主は長期的に株を保有していれば、みんな同じように利益を得ることができるわけです。

ところが外貨投資は長く持っていれば誰でも利益が出るというものではありません。誰かがもうければ、その裏側では誰かが損をする、すなわちゼロサムゲームの側面が強い取引なのです。したがって外貨の運用はどうしても短期かつ投機的になりがちです。プロの為替ディーラーも個人のFX投資家も、1日に何度も売買を繰り返して利ざやを稼いでいるのが実態でしょう。

もちろんFX取引が悪いというつもりはありませんが、少なくとも「株式投資より身近で簡単」なものではないはずです。為替の変動要因は株式と同様に複雑で、しかも株式以上に需給関係で動く部分が大きいのです。価格変動がすべて経済のファンダメンタルズ(基礎的条件)をベースに動くのであれば予測は比較的容易ですが、需給というのは多くの人の心理的要因に影響を受けるものですから予測自体が非常に困難です。

したがって外貨投資で利益を上げ続けるのは、株式投資よりはるかに難しいと私は考えています。「なじみがある」程度の理由で始めるのはリスクが大きすぎます。

もちろん分散投資の一環で、外貨にも一定額の資産を振り向けたい人は多いでしょう。それなら外貨預金や外貨建てMMF、または外国投資信託を保有する手があります。FXが持つ投機性を理解し、取引自体をゲームとして楽しむ目的ならいいのですが、特に初心者がFXで長期の資産形成を狙うのは極めて難しいことを認識しておく必要があります。

人はもうかったときにそれを周りに吹聴することはあっても、損したときにわざわざ話したがったりしないのが普通です。FXでもうけたという個人投資家の景気のいい体験談だけにつられて多額のお金をつぎ込むのは考えものです。

投資の基本は「自分が分かるものに投資する」ことです。「分かる」ことと「知っている」ことは違います。ドルやユーロを買い物や食事の支払いで使ったことがあるのは「知っている」程度にすぎません。外貨の価格変動メカニズムや取引の特徴をよく「分からない」まま投資すれば、思いがけぬ変動で大きな損失を被る可能性もあります。

もちろん外貨に限らず株式でも投資信託でもいえることですが、自分で理解・納得したものに自らの判断で投資することが最も大切であることを決して忘れてはいけません。

情報提供:投資教育アドバイザー 大江英樹


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