FXはインジケーターで勝てるのか?

「FXはインジケーターで勝てるのか?」って聞かれたら答えは「ノー」ですがインジケーターを全く表示せずにトレード出来るかと聞かれたら、これも答えは「ノー」です。裁量スキルを確りと修得していれば頼りになるのがインジケーターです。インジケーターサイン=エントリーではなく、裁量判断の後押しにお使い下さい。

コラム

EA(自動売買)の運用ルール構築の為のFAQ

2019/02/24

FAQ(Frequently Asked Questions)
EA(自動売買)の運用ルール構築の為のFAQを纏めました。
但し、PF(プロフィットファクター)って何?
最大ドローダウンってどうゆう事?と言った基本的な事は割愛しておりますので
その辺りはネットで調べて頂けます様ご理解下さいませ・・・<m(__)m>

一般的にEAを運用する際の注意点としてネットで検索すると・・・
------------------------------------------------------------
・バックテスト期間と取引回数
・損益グラフ
・PF(プロフィット・ファクター)
・平均利益と平均損失の比率
・最大ドローダウン
以上の項目をチェックする必要があります。
------------------------------------------------------------
まあ、こんな感じで一杯出てきますが
本当にこの内容が正しいのか?
本当は違うんじゃないのか?
色々と疑念が出てきます。
自分なり(個人的見解)のFAQになりますが
随時加筆して行こうと思っております。(考え方が変わるかもしれませんし・・・)
( ^ ^ )/

■バックテスト期間と取引回数は?
EAのバックテストの期間はできるだけ長く、
取引回数も多いほうがデータとして信頼性は高くなります。
期間が長いほどさまざまな相場状況を経て検証が行われていることになるからです。
ここまでがネットの見解です。

個人的には違うよな~って感じです。
ネットで販売されている色々なEAのバックテスト検証で
10年・15年のバックテストで右肩上がりの好成績のEAです~って記載されていますが
そもそもインターネットがなかった時代の相場検証ってどうなのか?
時代背景が違う期間を十把一絡げで考えてよいものか?
単純に10年・15年のカーブフィッテング(過剰最適化)なんじゃないのか?
とは言え確率論や大数の法則を考えると数はとても重要です。
相場の環境認識・環境背景を十分に把握して
その上で出来るだけ数の論理を求めて行く方が
誰にも分らない未来への投資に関して確率が上がる様に思っております。
この相場の環境認識・環境背景に関しましては下記のブログが参考になると思います。
「米国国債金利とFXの関係性 その1」
「米国国債金利とFXの関係性 その2」
「米国国債金利とFXの関係性 その3」
そもそもトレード回数が多いって事は
そでだけ沢山のスプレッド・手数料をブローカーに支払っているって事です。
馬鹿にならない額なんですよ・・・
何か少額って気がしてしまいますが、結構な金額になります。
先ず最初の敵はスプレッドなんですよね
ここに勝てないEA(ロジック)は先に進めません・・・(;^ω^)

■損益グラフは?
損益グラフはバックテストとフォワードテストの両方で確認することができます。
この損益グラフのグラフ線を見ることで、利益と資産残高の成長を確認することができます。
グラフ線が右肩上がりかつ直線に近いほど安定した成長を示していることになります。
ここまでがネットの見解です。

個人的には違うよな~って感じです。
先ずはバックテストですが
基本的にEAは相場の環境背景を読み取ってロジックの自動変更は行いません。
過去10年間・15年間の中で随時相場の環境背景が違っているのに
一つのロジックで、ず~っと勝ち続けるって可笑しいと思いませんか?
完璧に綺麗な右肩上がりの損益グラフのEAは
明らかにカーブフィッテング(過剰最適化)で作られた損益グラフの恐れが高いです。
次にフォワードテストですが
実際の運用結果を見る事はとても重要ですよね
フォワードテストでの右肩上がりはとても信頼出来る項目です。
見極めないといけないのはフォワードテスト期間の長さでしょうか
フォワードテストの右肩上がりは十分な説得内容になりますので
たまたま右肩上がりなのか?長期間に渡って右肩上がりなのか?
良いEAも成績が落ちて来る事は当然ですし
その際はポートフォリオの組み換えをすれば良いだけです。
組み替えに関しましては後述したいと思います。

■PF(プロフィット・ファクター)は?
PFとは「総利益/総損失」です。
つまり、将来どのくらい利益を出せそうかという「期待値」のようなものです。
勝ち越していれば1.0以上、負け越していれば1.0以下となり、
性能の高いEAのPFは2~3くらいあります。
ここまでがネットの見解です。

個人的にはチョッとだけ違うよな~って感じです。
確かにプロフィットファクターが1.0以下では資産がマイナスになってしまいますので
1.0以上は絶対に必要なんですが問題はその数値ですね。
中にはプロフィットファクター4.0とか5.0を謳い文句にするEAがありますが
常識では考えられません・・・
そんな成績が本当に出るなら借金してでもLotを上げてトレードしますよね・・・
複利で回したらあっという間に億万長者になります。
そんなうまい話には何かあるもんです。鵜呑みにしないのが賢明ですよね。
ではプロフィットファクターの数値ですが
個人的には1.1以上あれば十分で
プロフィットファクター以外にも色々検討するべき項目がありますので
プロフィットファクターの高さだけでEAを選択するのは間違っていると思います。
プロフィットファクターは高ければ良いのではなくて
それ以外の項目も含めて総合的に判断するべきと考えおります。

■最大ドローダウンは?
ドローダウンとは、口座資産の落ち込み度合いを示すもので、
発生した損失で一時的に資産がどのくらい落ち込んだのかを示します。
最大ドローダウンが50%以上あった自動売買EAの場合、
もし立て続けに50%以上のドローダウンが発生したら、
そのトレーダーは資産を失ってしまう可能性があります。
たとえ成長率が高くても、最大ドローダウンは10%以内か、
その程度のものを選ばないと資産運用とはならないので、気を付ける必要があります。
ここまでがネットの見解です。

最大ドローダウンに関しましては概ね同意って感じです。
収益やプロフィットファクターとも密接に関係しますので
最大ドローダウンのみを考えるのは危険ではありますが
数値は小さい方が間違いなく安全です。
但し最大ドローダウン10%と5%のEAを比べた時に
5%のEAが優れているのかって言うと決してそうではなくて
それ以外の項目も含めて総合的に判断するべきと考えおります。

■リスクリワード(平均利益と平均損失の比率)は?
平均利益と平均損失は総利益または総損失をそれぞれの取引回数で割った数値であり、
両者の差が少ないほうが優れていると言えます。
勝率が高い自動売買EAの場合、負けた回数が少ないはずですが、
平均損失が平均利益の何倍もある場合は一度の損失額が大きいことが多く、
最大ドローダウンも大きくなる傾向があります。
ここまでがネットの見解です。

リスクリワード(平均利益と平均損失の比率)に関しましては概ね反対って感じです。
世に出ていて好成績のEAの特徴としてストップロスは深いものが多いです。
損大利小のパターンです。
10pips程の利食いに対して100pipsのストップロス設定がデフォルトって感じです。
つまりリスクリワードが0.1って事になります。
こつこつどっか~んってパターンですよね・・・
これも最大ドローダウンやプロフィットファクターとの関係がありますので
単体での判断は避けた方が良いのですが
理想的には損小利大がベストです
リスクリワードは2~3を目指したいのですが
ランダムウォークな相場において現実のEA運用では難しいのが現状です。
なので少し大きめのストップロスも有かな~って思っているのですが
ルール作りにおいて何がしらの線引きが必要になりますので
結果が勝てるなら多少の諸々は目を塞いでもよい項目かな~って感じです。

■リカバリーファクターは?
リカバリーファクターはリスクに対して
どの程度のリターンが期待できるかを示す指標で、
「年間純益 ÷ 最大ドローダウン」で算出することができます。
リカバリーファクターの数値を見ることで、
損失(リスク)に対してどれくらいの利益(リターン)が見込めるポテンシャルを
持つEAなのかを判断することができます。
ここまでがネットの見解です。

個人的には最大重要項目なんです。
10年のバックテストでリカバリーファクターが10だった、
ということは、単純計算で、1年で1です。
つまり、最大ドローダウンを期した場合、
リカバリーするのに1年かかる、ということです。
このリカバリーするポテンシャルこそEAにとって最大重要項目って思ってます。
リカバリーファクターが1.0なら最大ドローダウンを1年でリカバリーする
4.0なら3カ月でリカバリーするって事です
ドローダウンは必ず訪れますのでリカバリーファクターは重要な項目です。

■最適化と過剰最適化は?
実際には優位性のないロジックを、無理やり過去の相場に当てはめたことで、
実運用では、まったく優位性のないものになってしまったロジックが、
過剰最適化の定義となります。
逆に、実際に優位性のあるロジックを、
過去の相場で勝ちやすい状態のセッティングにしたことで、
実運用でも、一定レベルの優位性を有しているロジックは、最適化と考えています。
ここまでがネットの見解です。

上記の文章を読んでなるほど~って一見感じるのですが
実際取り組んでみると結構難しいのが現状です。
実際は後述するKISSの法則"Keep It Simple, Stupid"と重なるのですが
基本ロジックの段階でMACD・RSI・stochastics等々と言った複数のロジックを
ただ組み合わせた物はスタート時点から過剰では?って感じです。
基本ロジックは極力シンプルに!
前述した相場環境・相場背景を無視したロジックでは
フォワードテストで破綻する確率が高いと思います。
バックテストの数値では見えてこない部分になりますので
最適化と過剰最適化の線引きは微妙って見解ですが
間違いなく言えるのは過剰最適化は絶対に避けるべきです。
見分けがつきませんが・・・(;^ω^)

■勝率は?
商材販売の常套句として勝率が重要視されている感じですが
勝率40%でもリスクリワードが2.0あれば収益が出ますよね
逆に勝率80%でもリスクリワードが悪ければ破綻してしまいます。
つまり勝率は絶対条件では無いって事です。
勝率も高く、リスクリワードも高いが理想ですが
現実はバランス感覚が重要になってくると考えております。

■ナンピンや マーチンゲールは?
ネット情報を載せる必要もないくらい絶対に採用しては駄目だ~って認識です。
最近はナンピン系のEAが人気との事ですが
ランダムウォークな相場ではリスクが高過ぎると考えております。
ナンピンや マーチンゲールで上手く勝ち逃げ出来る運があれば結果OKでしょうが
長く収益を狙いたいと考えてのEA運用では御法度かな~って感じです。

■KISSの法則"Keep It Simple, Stupid"?
「Simple is best.(シンプル・イズ・ベスト)」という言い回しをよく聞きますが、
この言葉は「単純なのが一番」という意味ではなく、
「これ以上削るものがなくなった状態」という意味です。
削っていった結果、これだけはどうしても削れないモノ。
それが本当に大切なモノ、必要なモノなんです。
ここまでがネットの見解です。

最適化と過剰最適化の所でも記載しましたが
基本ロジックはシンプルである事が重要と思います。
最初の段階からてんこ盛りのロジックでは
過剰最適化の最たる物になっている状態です。
ロジックは出来るだけシンプルに
そしてフィルターをかけるのは時間軸って言うのが持論です。
時間軸の考え方に関しましては後述します。

■TP(テイクプロフィット)とSL(ストップロス)は?
TPとSLの比率がリスクリワードになりますので
単純のTPが大きいから優れている、SLが小さいから優れているって訳ではなく
勝率やプロフィットファクターとも連動して考える必要があります。
相場(チャート)から感じるという行為が出来ないEAでは(裁量トレードなら可能)
ランダムウォークな相場でSLが大きくなるのは仕方がないかな~って感じです
但しSLが大きい設定では損切になった時のメンタルへの影響も考えると難しい所です。

■適切なロットの計算方法は?
ロット(Lot)の考え方に関しましては
資金管理の分野になってきます。
エントリーやイグジットとは別にルール化が必要で
明確な検証が出来る仕組みが必要です。
この辺りは後述のトレード分析ノート
「PAP(PERFORMANCE ANALYSIS PROCESSOR)」(未配信)で説明します。

■時間軸は?
時間軸と言うのは
チャートの縦軸が価格で、チャートの横軸が時間ですよね。
多くの方が縦軸の価格(レート)重要って仰るのですが
個人的には縦軸の価格はどうでも良いと思ってます。
(勿論、過去の高値安値の価格帯は気にしてますが・・・)
縦軸よりも大切なのが横軸の時間だという認識です。
一日の中でも東京マーケット・ロンドンマーケット・ニューヨークマーケットがあり
市場参加者が違う訳ですからトレードには色々な引出しが必要になってきます。
上昇・下落トレンド継続局面やレンジ局面からのスクイーズ&エクスパンション、
或いは上昇(下落)トレンドからの下落(上昇)トレンド転換パターンがあります。
局面局面によってトレードルールが変わってくる相場で
裁量判断を出来ないEAにとっては難しいトレードと言えますよね
曜日の優位性や季節の優位性も横軸の時間と言えます。
基本ロジックは極力シンプルで
優位性のある時間帯をフィルターにかけるのが得策かな~って考え方です。

■ポートフォリオの考え方は?
上記の項目を鑑みて
どの様なEAを、どの環境認識・環境背景で、
更にはどの様な組み合わせる事がベストパフォーマンスを発揮するのか?
ポートフォリオの組み合わせを組み替えるタイミングも含めて
淡々と実行出来る明確なルール化がEA運用には必須と考えております。
EAを買って3カ月運用したけど勝てないぞ~ってクレームを入れる方がおられますが
そもそもEAでの運用のスタンスを間違えておられます。
又、EAをセットしたら後はほったらかし~って言うのも大きな間違いです。
確かにチャートに張り付く必要はありませんので
通常の裁量トレードと比べたら遥かに楽ですが
それでも数々の検証や選択判断を求められてくるのがEAかな~って感じです。

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